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色つきの夢を見る。夢の中の色は、本当にものすごくきれいだ。
ガラスに透明水彩の絵を描き、部屋を暗くして、ガラスの裏側に灯りをつけて、光る透明水彩をながめているようにきれいだ。

夢は、たいてい唐突な場面から始まる。
今日の夢は、どこかの山奥に建つ大きな建物の中から始まった。
おそらく、どこかの景色のよい観光名所のようで、その大きな建物は、都会の大きなデパートかなにかのように、明るく、広く、けれど人の気配はまったく無かった。

壁が、大きなガラス貼りになっていて、濃い緑におおわれた高い山や、少し低い山がどこまでも連なっている。

足元を覗き込むように見ると、そこはちょうど山と山の境になっていて、深い谷が口をあけている。
その谷に、橋がかかっている。立派な橋だ。登りと下り両方ともに、乗用車が2台並んで走れるほどの広さがあり、そこを走りながらの景色は、観光名所のひとつになっていた。
なっていたのだ。
その橋は、壊れていた。
真ん中から折れ、崩れ、それでも壊れ切れない橋げたや、道路が、アスファルトや鉄の芯をめちゃくちゃにぶちまけながら、崩れ残った橋の道路から垂れ下がっている。

「ほら、あれがその事故だよ」

私は、私の後ろにいつのまにか居た誰かに、そう教えている。
誰だかわからないその相手は、別に興味は無いのだけれど、無視するつもりもないらしく、私の後ろで立ち止り、崩れ落ちた橋のほうに、首をかしげた。

「あれは、いつ起きたんだっけねぇ?」私が尋ねると
「23年前だ」私の後ろの誰かから、妙にはっきりと返事が来た。即答だ。


崩れ落ち、垂れ下がった切れ端のようになった道路の、落ちる寸前の取り残されたような場所に、赤い乗用車と、ワゴン車と、軽トラックか何かのようなものが、子供が遊びで積み上げたミニカーのように重なっている。

あの車は、23年前の事故の時から、ずっとあのままあそこにあって。
その中には、23年前の事故の時から、死んだ人達が乗ったままで。


23年前の惨状を、23年後の私と後ろの誰かが、二人だけで眺めている。



*見た夢を、見た通りに書いてみました。山の景色は、日光いろは坂の下り部分みたいなイメージ*

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◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇




諸君 私は山姥切国広が好きだ
諸君 私は山姥切国広が好きだ
諸君 私は山姥切国広が大好きだ


みかんばが好きだ
つるんばが好きだ
さにんばが好きだ
ほんかんばが好きだ
くりんばが好きだ
しょくんばが好きだ
創作刀剣ばが好きだ
みぎんばが好きだ
→←んばが好きだ

本丸で 近侍部屋で
演練で 遠征で
厩で  畑で
庭の池で 風呂場で
自室で 現世で

この電子世界で描写される ありとあらゆる刀剣乱舞二次創作作品が大好きだ


はじまりの五振りをならべた審神者の選択が 桜吹雪と共に山姥切国広を顕現させるのが好きだ
現世に堕ろされた山姥切国広が 、口上を述べて、審神者との意思疎通がばらばらになった時など心がおどる

顕現した三日月宗近の天下五剣の打除けの瞳が、近侍の布の内側を気にするのが好きだ
卑屈声を上げて 三日月の懐から飛び出してきた布を
藍色の手甲で押し倒した時など胸がすくような気持ちだった

名刀名剣をそろえた太刀の集団が 山姥切国広の矜持を蹂躙するのが好きだ
恐慌状態の山姥切国広が 既に親衛隊と化した本丸の同士を 何度も何度も逆差別している様など感動すら覚える

自分下げ主義の山姥切国広を宴会場に晒し上げていく様などはもうたまらない
泣き叫ぶ山姥切国広が 主の降り下ろした手の平とともに
金切り声を上げる周囲の刀剣の目前に ばた  と押し倒されるのも最高だ




哀れな山姥切国広が、 雑多な近侍の仕事で健気にも立ち走ってきたのを

鶴丸国永の『どうだ 驚いたか』が 書類ごと木端微塵に粉砕した時など絶頂すら覚える


別本丸の審神者に滅茶苦茶にされるのが好きだ
必死に守るはずだった主に蹂躙され 本丸の刀達に犯され殺されていく様は とてもとても悲しいものだ

政府の権力に押し潰されて屈服させられるのが好きだ



  
人気刀剣を愛好する他の創作者に使いまわされ 物語のその他大勢として這い回るのは屈辱の極みだ



諸君 私は山姥切国広の物語を 『なにこれすごい』の様な物語を望んでいる
諸君 私が付き従うまんばモンペ まんば保護者の会
君達は一体 何を望んでいる?

更なる山姥切国広受けを望むか?
情け容赦のない 糞の様な乱立する未完作品を望むか?
妄執偏愛の限りを尽くし 三千世界の鴉を殺す 嵐の様な写しの物語を望むか?


 (ガガガガ ガガガガッ と手を上げた私の脳内の私達が口々に)




「山姥切国広!!布!!写しの子!!」



よろしい  ならば創造だ

我々は満身の力をこめて今まさに振り下ろさんとする一本の筆だ
だがこの暗い闇の底で三か月もの間 悶え続けてきた我々に ただの山姥切国広では もはや足りない!!

大妄想を!! 一心不乱の山姥切国広の大妄執を!!

我らはわずかに一サムネイル 幾百人に満たぬ上級者の妄想に踊る凡人にすぎない




だが私は 一騎当千の古強者だと自身を信仰している
ならば我らは 諸君と私で総兵力100万と1人の山姥切国広愛好集団となる
我々を憐れみと蔑みのコミュ障写し愛好家へと追いやり国宝、御物、名のある名刀名剣に満足しているつもりの連中を叩き起こそう

他の刀剣男子達を偏愛する主の胸ぐらをつかんで引きずり降ろし 眼を開けさせ思い出させよう

連中に我が初期刀の布を思い出させてやる
連中に我が初期刀の卑屈の言葉を思い出させてやる

天と地のはざまには 奴らの哲学では思いもよらない自己肯定への浄化があることを思い出させてやる





たったひとりの、保護欲と独占欲と嗜虐趣味の物語で
世界を燃やし尽くしてやる


「最後のブラック本丸  闇堕ち刀剣より全ホワイト本丸へ」



第一次山姥切国広保護捕獲捕縛拘束作戦 状況を開始せよ

征くぞ 私よ


◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇

   




あの、すいません。推し刀が別の子な審神者さま、↑はその、コピベ改変でして。

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生産品と装備と武器の受注生産うけたまわり屋さんを目指しているはずだったうちの店、『遭難堂』に、顔を見せてくれる常連さんからは、何故かラーメンの注文が多い。


そんなある日、庭に設置してある注文、雑談用掲示板(*注*こちらは、消耗品、日用雑貨、雑談用掲示板です。装備等の本気掲示板『』は、店内に設置してあります) に、武器の注文が書き込まれていた。

やったね!ラーメンじゃない依頼が来たよ!うれしいね!


◆◇◆依頼内容 ↓
        ↓

 


◆◇◆ 私:『……えーと……』

とりあえず、依頼へ返信してみた。 ↓
                 ↓

 

◆◇◆注文主から、返事がキタ
               ↓
               ↓

 


◆◇◆朝早くからの速攻返信である。注文主の本気度が感じ取れる。これは、こちらも本気にならざるを得ないだろう。
けれど、まだ難問山積みではある。 とりあえずお返事をしておいた。
 ↓
 ↓
 

◆◇◆お客様のご希望がハンピなんですよね。ハンマーピック。良い武器ですよね。
スペシャルムーブも、『Armor Ignore』『Mortal Strike』と、素晴らしいですね。効果の程は。
『ターゲットの、全ての属性抵抗値を1度だけ無効化、つまり、全ての属性抵抗値を0とする』『暗殺者に有効な能力、使用に成功すると、プレイヤーに対しては6秒間、NPCに対しては12秒間、他人からの回復も含めて、どのようなダメージも治療することができなくなります。』
殺す気満々なチョイスが、いっそ清々しいです。

個人的には、こん棒もオススメしたいです。
スペシャルムーブは『Shadowstrike』
効果は『使用に成功すると、攻撃を行った後、攻撃者をハイド状態にします。このときの攻撃は、通常の25%アップの攻撃力となります。』
どうです?良いと思いませんか?お客様?



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色つきの夢の中で、アスフアルトで舗装された道の脇に、私は立っていた。
どうやら季節は夏のようで、時刻は、夕暮れというには少し早い、午後と夕暮れの境目あたりの時刻らしかった。
ゆるくゆるくカーブしている一本道だ。
付近に建物は見えない。
舗装された道の両脇は、雑草まじりのなだらかな草地になっていて、私の立っている側から見える道路の向こう側は、草地の向こうに空が広がっている。

あの草地の先は、崖になっていて、たぶん遠くに海が見えるのだろう。

なんとなく、そう思う。

アスファルトの道路をはさんだ向こう側に、その空を背景にして、誰かが二人向かい合っておしゃべりをしていた。
遠いので声は聞こえないが、仲がよさそうに見える。

片方の子が背が低いので、中学生かとも思ったが、もう片方の子は、背筋がすっとしている。
高校生なのだな。と、なんとなく、そう思う。

どうやら二人は女の子のようだ。 
ようだというのは、夢なので姿があいまいなのだ。
まだ空に青さの残る、太陽からの光の色だけが、夕暮れを示すように少しまぶしく赤みがかっている。 道路は暑さに白っぽくひかり、草は緑だ。
こんなにはっきりと見えるのに、彼女達二人の姿は、どうもよく見えない。

そこに、自転車が左側から走って来た。学生服を着た男がペダルを踏んでいる。

彼は、話し込む二人の前を走りぬけ、ユーターンするように、きゅっ!とハンドルを戻す。

道の端に自転車を止め、たいへん気楽そうに、彼女たちの側に歩いて行く。
彼女達が、顔だけを彼に向ける。

知り合いなんだな。
私は、なんとなくそう思う。

いきなり右手側、自転車が走って来た方向とは反対のほうから、集団が歩いてきた。
集団は、男だったり女だったり、若かったり年配だったり、とばらばらだ。


バス亭か、駅があるのだな。今、降りてきた乗客の集団だな。
私は、なんとなくそう思う。

その集団が行き過ぎ、私の目の前に、もう一度向こう側の景色が見える。

そこには、最初の二人と、自転車を止めて戻って来た一人。その他に新しい誰かが数人増えて、けっこうな人数になっていた。

さっき私の目の前を横切って行った集団の中に、最初の二人と、自転車の一人の知り合いが複数居たのだろう。

そして、お互いに、知った顔に気がつき、くったくなく手をあげ、合図を送り。
呼ばれたほうは、集団をぬけ、道の端にとどまり。

道路の向こう側の、見知らぬ彼女、彼等の姿が、うれしかった。

良い夢を見た。

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アトランでレアフェスをやってたので見学に行ってきました。
珍しいものが見られるので、観光旅行です。


買って着て歩きたいなぁ。と思ったもの↓




旧表記かわいい、と思ったもの↓



おーー?!良いもの見られたわい、と思ったもの↓


  ↓


バースレア、ブリタニア内では、初めて見ました。ちょっと調べてみたけど、どこのシャード生まれなのかはわからなかったです。
とにかくバースレアですよ。シャードと共に生まれ、永い時を過ごしてきた、パソコンの中のドット画像に、愛を感じます。愛というか、関わってきたであろういろんな人の思惑とか。

ちょっと前、私が住んでいるサクラシャードでもレアフェス開催されたんですが
その時、ぞくぞくと集合して展示されていくレアからの挨拶、という形でUO内本を書きましてね。

記念に(なんの記念だよ)転載してみました。

     ↓


◇◆◇◆◇◆◇◆
 
『rares family』

こんにちは。
こんばんは。
はじめまして。


私たちは『rare』と呼ばれるものです。


人さまに私たち一族は
どんな目で見られているのでしょうね。


あ、ごめんなさい。
難しい話をしたいのではありません。


私たちは、ただの『モノ』です。
それ以上でもそれ以外でもないものです。

モノである私たちに
意味を
価値を
見つけ出してくれる
あなたに会えたことが、うれしいのです。

価値というものも
人によってずいぶんと異なることでしょう。

あなたの冒険に役立つことができるかもしれない
私たち。

あなたの日常を快適にすることができるかもしれない
私たち。

何の役にもたたずとも、私たちを所有しているそのことに
喜びを感じてもらえるかもしれない
私たち。

金銭的価値を見出されて、財産として大切にされているのかもしれない
私たち。

私たちのありかたは、さまざまでしょう。

けれど

いつかは必ず消えてしまう記号として生まれた私たちを

その目にとめ
その手に取り

捨てることなく

同じ気持ちを私たちに対して感じてくれただれかに
私たちの存在を引き継いでくれる。

そのことだけで、私たち一族はほんとうに
ほんとうに
幸せ者なのです。


私たちが、これからお会いできる皆様の中には
きっと
私たちよりもずっと
この世界で過ごしてきた時間の短い方が
いらっしゃることでしょう。

この世界に数多存在する(異なる場所)海外、という場所で暮らしたことのない方も
いらっしゃることでしょう。

私たちは、そんな場所からやってきたのです。

私たちを捨てず、消滅させず
きっとほんの少しは愛してくれていた
そんな人たちが
たくさん
たくさん居たからこそ

私たちは今、こうして皆様に会うことができるのです。

この世界にただの『モノ』として生まれてきたのに

こんなにも永い時と
たくさんの人たちに会うことができた私たち。

ほんとうに幸せ者な
rare。


◇◆◇◆◇◆◇◆










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どこに書き込もうか迷いましたが、オリジナルじゃないし、UOモノだってことで。



*ソーサリア小話*


季節ごとの贈り物を受け取るための、頭数としてだけのために生まれてきた彼は、
一人につきひとつ与えられる色つきの箱を抱えて、アンブラの宿屋に帰りついた。

ここが、彼の生まれた場所であり消えていく場所だ。

アンブラは、同じマラスの地であるルナとは正反対のように、ひと気の無い街だ。
およそ他人が来ないので、アイテムの受け渡しにはちょうど良いらしい。

宿屋の奥の部屋で、寝台の影に、さっき入手したばかりの色つき箱を隠すように置くと、彼は、彼自身のログアウト画面を開いた。


こうして、アイテムのやりとりの時のみ起こされて、どこに行くこともなく、スキルもステータスも、着ている服も、生まれた時のままの彼は、本当ならこのまま次に何かイベントが開始されるその日まで、静かに静かにこの世界から消えているはずだった。

……はずだったが、すぐに揺り起こされ、ついさっきまで居た宿の個室で目を覚ます。
こんなことは珍しい。

どうやら、今回のイベントでは、色つき箱のほかにも、小さなオマケが添えられていたらしい。
そのオマケの受け渡しが残っていたのだ。
そのオマケをカバンの中から見つけ出し、寝台の影に置こうとして、彼は、誰かがそこに座っていることに気がついた。

アイテムを持ち去られては大変だ。

彼は、彼の目の前に座っている相手を見つめ、そして気がついた。

(これは、俺だ?!)


この世界には、キャラクターとして、同じ人間を5人まで送り出すことができる。
けれど、その5人は決して同時にこの世界に存在することはできない決まりだ。

自分の分身、もう一人の自分という一番近い存在でありながら、決して出会うことができないはずの、もう一人の彼が、そこに座っていたのだ。


聞いたことは、ある。
ごく、ごくまれに、こんな風に直前までこの世界で行動していたキャラクターの姿が消えないままに、次のキャラクターがログインし、出会ってしまえる現象が起きるらしいということは。
今、彼の前に座ったまま動かないそのキャラクターは、集めた季節アイテムを受け取りに来た、彼の(きちんと育てられた方の)兄弟だった。

彼は、生まれて初めて出会ったもう一人の自分自身を、じっとみつめた。


スキルは伝説まで育てられ、ステータスは、贅沢にスクロールを使い最高まで上がり、最新の装備に身を包んだ、彼でありながら、天と地ほどの差のある、もう一人の自分自身。


彼は、立派に育てられたもう一人の自分自身に、そっと、そっと、手をかざした。

「俺が…俺と同じ体が」

嫉妬や恨みではない、ただただ憧憬と誇りに満ちた想いだけがあった。

「ここまで。ここまでになれるものなのか。  俺は、こんなにも立派になれるものだったのか」

彼は、微笑みながら静かにログアウトした。



*終わり*









まさかの「刀剣乱舞2次創作」からの、ほぼパクリ模倣は最高の賞賛。ええとすみません。(汗


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「  」
◇◆◇


書いた本人さえ、登場人物名を忘れそうになっているので、改めてざっくり紹介。

椚原聡一(くぬぎはらそーいち)
高校1年。長男ポジション。スポーツ万能成績優秀なれど、音楽芸術関係が全てを飲み込む残念さを誇る。

屋敷建(やしきたてる)
高校一年。次男ポジション。聡一の従兄(父親同士が兄弟)。早くに父を亡くし椚原家で育てられた。家事全般を受け持つ。

椚原翔(くぬぎはらかける)
聡一の弟。小学一年生。

藪茂 しいね (やぶしげ しいね)
小学一年生。屋敷建の親戚。(母親同士が姉妹)つまり椚原の二人(聡一、翔)にとっても親戚。

藪茂由香里(やぶしげ ゆかり)
今回初登場。しいねの母。屋敷建の母の実妹。

◇◆◇

椚原家の長男ポジションである、椚原聡一は、彼が通う高校の南校舎と北校舎にはさまれた、日当たりのいまいちよくない中庭にある花壇の間を、急ぎ足で歩いていた。

放課後の校舎は賑やかだ。
やや調子の外れたトランペットは、北校舎の3階奥の吹奏楽部から。そのファンファーレを追うように、勢いよくドラムとシロフォンが響く。マーチングバンド部だ。ピアノに合わせた合唱に、「ファイッ!おーーー!!」と、運動部の掛け声が重なる。

聡一の通う高校は古い歴史と偏差値の高さを誇る名門校であり、文武両道、生徒の自主性を重んじる自由な校風でも知られている。そんなわけでクラブ、部活、同好会の類はとても数が多い。中庭を抜け、体育館に続く渡り廊下の踏み板を、土足で踏まないよう飛び越す聡一に、体育館の入り口でスポーツバッグを抱えた体操着の男子が声をかける。

「あれ?椚原ー?今から部活?」
「おぅ!」
「なんだよ、制服で?今頃」
「化学!!つーわけで部活に遅刻しそうなんだ、またな~」


「当番かー」という相槌を背中で聞きながら、聡一は走る速度を上げようとし……柔道着を着た一団に行く手をさえぎられ、その場で足踏みをするはめになった。
(あー、もう!)ごたごたと団子になって走り過ぎる柔道部の横をすりぬけるように体育館の壁沿いに向かう聡一。
彼のこの部活遅刻状態は全て、化学の当番に当たってしまった事から始まっている。
まず、化学室のある実験棟が校舎から遠い。
そして時間割は7時限目、最後の授業である。
さらに、当番である聡一はジャンケンで負け、化学室に鍵をかけ、その鍵を化学担当の教師に届ける係りになってしまった。
トドメは、いつもなら化学室の隣にある準備室に居るはずの担当教師が、今日に限って本校舎の職員室に戻ってしまっていたのだからたまらない。


「遅くなりました!1年はいりますっ!」
聡一が大声で挨拶しながら部室の扉を開ける。
「椚原?」飛び込んできた後輩の顔をたしかめるように、3年の部長が目を細めた。
1,2年の姿は無く、部室はガランとしている。
(あっちゃー。もうランニング行っちまったのか)
「すいません!遅くなりました!」再度挨拶をする聡一に、部長が言った。
「部活休みだろ?どうしたんだ?」
「へ?」
「椚原は、保護者から帰宅させてくれと連絡が入ったんで、部活は休みだって丸先が言ってきたぞ?」
丸先、とは部活の顧問である丸山先生のあだ名だ。顧問の教師に、保護者から電話が入ったのだと部長は言う。
「いえ、俺何も聞いてません。ちょ、ちょっと失礼します。ケイタイ使用してよろしいでしょうか?」
「あぁ、早く家に帰れよ?」
学校の敷地内では使用禁止が建て前の携帯を取り出すと、そこには着信アリの表示が光っていた。
「うわ、由香里さんから!」
「いいからさっさと帰れ」


追い出されるように部室から出された聡一は、ひとつ溜息をつくと、もう一度携帯のメールを読み直した。
メールの文章は『寄り道しないで帰って来てください。』という、実に簡単なものだった。
差出人の名前は『藪茂由香里』
この名前には逆らえないし、逆らう気も無い。


聡一が自宅に戻り、制服のまま茶の間に顔を出す。
畳敷きの和室と、フローリングの洋室が半々になったような作りの、その茶の間で、椚原家の二男ポジション(本人はこれを否定している)屋敷建が、いそいそと茶を淹れていた。
フローリングのソファには、春物の薄手のカーディガンをはおった女性が腰かけて、彼女の(マイ湯飲み)でゆったりとお茶を飲んでいる。
女性の名は、藪茂由香里。建の叔母であり、両親そろって海外出張中の椚原家の子供たちの保護者役である。


薮内由香里と、椚原家の付き合いは深い。
屋敷建の父である屋敷築は、椚原聡一の父の実弟だ。
建築家、それも美術館やコンサートホールを設計する建築家を志した築は、高名な建築家であった屋敷司郎に師事し、日本よりむしろ海外での評価の高い建築家となった。
師である司郎には、娘が二人居て、姉娘の屋敷美知と恋中になった築は、彼女と結婚し屋敷姓を継いだ。

息子の建が生まれる頃、海外での仕事が多かった築は、丁度同じころ子供をさずかった兄夫婦の家、つまり築の実家に、妻の美知と赤ん坊の建を預けた。美知の実家である屋敷の家は、人里離れた山奥にあり、建築家としての才能は素晴らしいがそれ以外には問題山積みの司郎のおかげで、お世辞にも母子に良い環境とは言い難い家だったので。

兄嫁である椚原鹿乃子(くぬぎはらかのこ)は、この同居をむしろ喜んだ。大歓迎した、と言っていい。聡一の母である鹿乃子は、文化人類学者であり、オセアニアの奥地に単独フィールドワークに入ってしまうような活発な女性だった。どちらかというと、おっとりとしたインドア派の優しい性格だった義妹の美知を、義姉である鹿乃子のほうが頼りにする有様だった。
美知の人柄と家事育児能力とに、すっかり安心した鹿乃子は、安心しすぎて自分の息子である聡一を、美知にまかせて、仕事に復帰してしまった。
つまり、職場であるオセアニア奥地に出向してしまったのだ。
かくして、幼い男の子を二人抱えて、てんてこまいしている美知の住む椚原家に、美知の妹の由香里が手伝いにやってきたのである。
聡一と建にとって由香里は、姉のような、半分母の様な存在だ。


「由香里さん。何かあったんですか?」
茶の間に上がり込む聡一を、由香里が、マイ湯飲みをテーブルに戻しながら、やんわりと止めた。


「おかえりなさい。聡一ちゃん、急に呼びだしてごめんね。まぁ、着替えて来てね。あ、建ちゃん、このお茶美味しいわ、おかわりちょうだい」
「…はい、はい。着替えて参ります」


トレーナーにGパンという私服に着替えた聡一が、茶の間に戻ると、由香里はソファから畳の座布団に移動していた。
「姉貴、このセンベイも食べる?」
母の実妹であるこの若い叔母を「姉貴」と呼ぶ建が、お茶菓子で接待している。
「由香里さん?話って?」
対して、聡一は藪茂由香里のことを(由香里さん)と呼ぶ。
この呼称の違いは、聡一が由香里に対して他人行儀にふるまっているわけでは無い。


◇◆◇ 


 


続く


 


 


 


 


 

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猫自慢です。
ディスプレイの前に仁王立ちになったり。マウスのコードを踏んだり。キーボードを踏んだり。チャット中の腕を腕枕にしたり。
たいへん可愛いです。
見たい、という要望があったので、得意げに写真を載せます。




どうだ?可愛いだろう?




どうだ?美人だろう?!

♀です。たぶん今年9歳です。里親会でもらってきたので、生年月日とか親の種類とか、すべて不明です。

*画像の加工は一切行っておりませんが、奇跡の映りの詐欺写真では、あります*

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「なんとなく先行き不安」


毒スリスを、なんとかしばき倒してマジック品を持ちかえる毎日。



パワースクロールがもらえるクエストは3種類あるけれど、調べてみると

『ソウルフォージの知識』というクエがお勧めらしい。 魔力化エキス(緑玉) 50個でパワースクロール[練成]115入手。
10枚手に入れて、スクロールシートに連結する事で120PS入手可能。

スクロールシートなどという便利なモノの存在はこの時知ったですよ。
ちょっと留守にしてる間に、えらく様変わりしているブリタニア。



めでたく(練成115)を1枚入手。これを10枚集めるわけで。
しかし。
練成を120まで上げてそこで終了なのではない。むしろ、120になってからが、生産としての練成への第一歩なので。
このまま、このクエストを進めていたら、120になった時、練成資材が手元に無い状況になっているような気がする。



先のことばかり心配していないで、さっさとスキルを上げなければ。
わかっているけど、ほんのり不安になってくる。

「できるかな?」



*オマケ*↓


日記の『筆ペン対決』にて、ナイスな絵を描いてくれた某ちゃん。再び参戦!

某ちゃん「何描いてるの?」
私「毒シリス(まだ言うか)を、がんばって倒して。クエストでアイテムもらう話」

そして生まれた(毒シリスをがんばって倒すガーゴイルの絵)がこれだ。





……!!??ちょ。
このガーゴイル、ぜんっぜん苦労してなさそうですよ?あと、何故裸族なんですか?!


 

↑こちらは、クエストアイテムを受け取って報酬をくれるガーゴイルだそうです。
なんでしょうね?この、悪の親方感。投げてよこしてるのは札束だそうです。


*ツヅク*

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「閑話休題」(どこまでも内容は遭難していきます)



日常さん(仮名)から、メッセージをいただきました
読んでくださって感謝感激です
闘い方まで心配してレクチャーしていただきました
で、毒シリスについても、コメントいただきました




現地に見に行ってみました
あいかわらずおっかない場所です

いますいます 画面内には、ほんとはもっといます
まさに『1匹見かけたら…』状態です

さて、お名前は?

毒シリスなんて何処にもいなかったんや!
どうやら、勝手にずっと名前を創作していたようです

 

…もっと勉強しなくちゃ!え、英語とか…

*ツギコソハ練成マンガニ*

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