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どこに書き込もうか迷いましたが、オリジナルじゃないし、UOモノだってことで。



*ソーサリア小話*


季節ごとの贈り物を受け取るための、頭数としてだけのために生まれてきた彼は、
一人につきひとつ与えられる色つきの箱を抱えて、アンブラの宿屋に帰りついた。

ここが、彼の生まれた場所であり消えていく場所だ。

アンブラは、同じマラスの地であるルナとは正反対のように、ひと気の無い街だ。
およそ他人が来ないので、アイテムの受け渡しにはちょうど良いらしい。

宿屋の奥の部屋で、寝台の影に、さっき入手したばかりの色つき箱を隠すように置くと、彼は、彼自身のログアウト画面を開いた。


こうして、アイテムのやりとりの時のみ起こされて、どこに行くこともなく、スキルもステータスも、着ている服も、生まれた時のままの彼は、本当ならこのまま次に何かイベントが開始されるその日まで、静かに静かにこの世界から消えているはずだった。

……はずだったが、すぐに揺り起こされ、ついさっきまで居た宿の個室で目を覚ます。
こんなことは珍しい。

どうやら、今回のイベントでは、色つき箱のほかにも、小さなオマケが添えられていたらしい。
そのオマケの受け渡しが残っていたのだ。
そのオマケをカバンの中から見つけ出し、寝台の影に置こうとして、彼は、誰かがそこに座っていることに気がついた。

アイテムを持ち去られては大変だ。

彼は、彼の目の前に座っている相手を見つめ、そして気がついた。

(これは、俺だ?!)


この世界には、キャラクターとして、同じ人間を5人まで送り出すことができる。
けれど、その5人は決して同時にこの世界に存在することはできない決まりだ。

自分の分身、もう一人の自分という一番近い存在でありながら、決して出会うことができないはずの、もう一人の彼が、そこに座っていたのだ。


聞いたことは、ある。
ごく、ごくまれに、こんな風に直前までこの世界で行動していたキャラクターの姿が消えないままに、次のキャラクターがログインし、出会ってしまえる現象が起きるらしいということは。
今、彼の前に座ったまま動かないそのキャラクターは、集めた季節アイテムを受け取りに来た、彼の(きちんと育てられた方の)兄弟だった。

彼は、生まれて初めて出会ったもう一人の自分自身を、じっとみつめた。


スキルは伝説まで育てられ、ステータスは、贅沢にスクロールを使い最高まで上がり、最新の装備に身を包んだ、彼でありながら、天と地ほどの差のある、もう一人の自分自身。


彼は、立派に育てられたもう一人の自分自身に、そっと、そっと、手をかざした。

「俺が…俺と同じ体が」

嫉妬や恨みではない、ただただ憧憬と誇りに満ちた想いだけがあった。

「ここまで。ここまでになれるものなのか。  俺は、こんなにも立派になれるものだったのか」

彼は、微笑みながら静かにログアウトした。



*終わり*









まさかの「刀剣乱舞2次創作」からの、ほぼパクリ模倣は最高の賞賛。ええとすみません。(汗


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